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by becomeprincess

飛雁閣



銀座といえば、高級ブランド店、デパートや老舗からニューオープンの飲食店まで軒並み連なります。新たに出店するとなると、確固たるコンセプトをかかげないと経営が厳しい激戦区。
そんな界隈に、年間120日を上海・香港で暮らす上海出身のオーナーが現代の中国料理を味わって戴くために完全予約制のお店を出されました。
限定システムにしたのは、ランチ・ディナータイム共に、お客様を万全の体制でお迎えしたいという想いから。
こちらは、豆板醤・オイスターソースやXO醤ソース等をペニンシュラやマンダリン・オリエンタルや有名レストラン等に卸す亜細亜食品㈱の直営店です。
先日開催された「フードジャーナリスト会議」で、亜細亜食品㈱の代表取締役にお会いし、
有卦に入るように、満を持して行くべき所にご招待されて参りました。

まず、エレベーターの扉が開いた瞬間から、支配人とのご対面に圧倒されました。
奥へ進む途中、オーナーのお名前に象徴される「雁が飛んでいる」姿を表したガラスの壁に見守られ、私まで羽ばたきそうな期待感で先へと進みました。

インテリアは、グリーンに白で統一。
お皿やレンゲにもさりげなく白をベースにグリーンの雁が描かれた物を使用。
テーブル以外は、オーナーのご自宅と同じ高級な家具を使う事で、
最高のおもてなしをご自宅で受けている気分になります。
世界中で買い付けたマイセン・ヘレンド等、高級洋食器も使用している。
ワイングラスはリーデル・バカラで統一。
紹興酒は、ボヘミアンクリスタルグラスでステム(グラスの足)が持ちやすい物を使用。
お料理だけでなくそういった食を演出するアートを眺めるのにもふさわしい煌びやかなシャンデリアの照明。
照明の明るさは、本物を真っ向勝負で写し出す自信の顕れであり、
国際的な都市上海で生まれたオーナーのセンスが光っていると言えます。

お料理が出て来るまでに、支配人からお店のコンセプトについてのご説明がありました。
まず、化学調味料は一切使用せず、油はヘルシーリセッタを使用。野菜は、契約農家の有機野菜をできるだけ使用。
伊万里牛・薩摩黒豚・伊達鶏・どんこ(大分産乾し椎茸)有機栽培野菜等、徹底した素材への拘っているようです。
料理長には、香港と東京の福臨門魚翅海鮮酒家に25年間いた黄維志氏をお招きし、これまでの伝統的なお料理から革新的な料理へと研究されているようです。
最近では、スパイシーな料理で特にタイ料理に注目しているとの事。

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五種前菜の盛り合わせ
ANA国際便ファーストクラス機内食で採用された「クラゲの冷製」やモンドセレクションで金賞の「黒豚チャーシュー」、そして私の大好物「フォアグラ」までもが円の中で飾られていました。前菜盛り合わせの良さは、当日まで何か供されるかわからない良い意味でのサプライズ。私の場合は、お店の方のお薦めに委ねますが、苦手な食材がある方は、予約時にお伝えした方が良いです。それが、お店をより楽しむ為のファーストステップです
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特製極薄皮小龍包
GUINESSで世界「NO.1の薄皮小龍包」として申請している名作。1人ずつ蒸篭で出されて蓋が開かれた瞬間湯気が立ち昇る。できたてのプレゼンです。お店の方から上海流の食べ方を伝授されました。
まず、蒸篭を開けてから1分半待ちます。次に、レンゲの上に小龍包を乗せて、箸ではなく歯で穴を開け、そのまま熱々のスープを口の中に入れるのが、本場流。
次に来た際は、学んだように自ら率先して食べようと思う時点で再訪する事を予期している自分がいました。
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フカヒレスープのきぬがさ茸・蟹肉入り
コラーゲンをスープという形で食し、前菜で食べたビタミンと共にお肌に上質な潤いがでそうです。
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北京ダック
一つずつ丁寧に巻いて頂きました。
アヒルの皮の脂身と甜麺醤と甘さの余韻を付け合せのチェリーの酸味を加える事によって引き締まったお皿に創り挙げられていました。
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車エビのマヨネーズ風味フレッシュフルーツ入り
特に印象に残った一皿。他のお料理はお箸で食べていたのに対し、大きなエビを口に運ぶ為のツールとしてナイフとフォークが出されました。
食べ手の気持ちになった配慮が見受けられました。
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アワビのオイスターソース
宮城県の活アワビを使用。
化学調味料を一切入れないオイスターソースをベースにしたお料理。
どんこと同じ弾力と厚みがあり味わい深いものでした。
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伊万里牛フィレ肉の黒胡椒炒め
このお皿の特徴は、臭みがない事。まず、お肉の臭みは黒胡椒の香りの豊かさでカバー。
玉葱特有の香りは、甘みのある厳選野菜を使用し高温でサッと炒める事で歯応えと味を愉しめました。
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海鮮チャーハン
卵がお米一粒一粒によくからみ、同サイズに切られた野菜のシャキシャキとした食感がバランスよく合わさっていました。
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デザートプレート
マンゴーのマーラーカオ(馬拉糕)、胡麻だんご、ココナッツだんご。
しっとりした中国風蒸しパンに瑞々しいマンゴーが今でも印象的でした。
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完熟Mangoのプリン
台湾産のマンゴーを使用人口添加物一切無しで作ったデザート。ミルクの量が控え目でマンゴーの甘みが凝縮されていました。


これらお料理とのマリアージュとして供されたのは、水の都、紹興市で製造された「飛雁雅酒」。人口着色料、増コク料、甘味料、保存料は一切使用していない物です。アミノ酸類、有益金属等を極めて多く含み、ただ美味なだけでなく、身体に優しいお酒です。鼻をくすぐる香り、滑らかな舌触り、さらりとした飲み口。ハイクオリティーなグラスで口を潤せばワンランク上の世界へ仲間入りを果たした心地気分になります。

9月1日から銀座8丁目スワロフスキービルへ移転されるようです。
今よりも3倍程の規模で、内装もさらにグレードアップされます。例えば、大きなマイセンの器が飾られます。御手洗いが充実するようです。

顧客の好みや要望を徹底管理し、満足度を重視するからこそ生まれる高いホスピタリティは、飛雁閣の信念であり強みなのです。それ故に、一度来店した本物志向のお客様のリピート率が圧倒的に高いようです。
お料理だけでなく、雰囲気やホスピタリティまで極めた空間がそこにありました。
お店の魅力は、探れば広がります。

お客様もお店の雰囲気を創る要素です。自分を磨き、お店の拘りがわかるような舌と知識を兼ね備え、それに見合った装いで出かけたいです。

「飛雁閣」 参考URL: http://www.higankaku.com/
by becomeprincess | 2008-06-10 07:06 | 中華